生徒数の多い大手の学習塾では、クラス分け制度を採用している所があります。
クラス分けを行う主な理由は、単に人数が多く1クラスに纏められないという事もあります。
しかし、生徒の学力に応じた授業を行う事で、効率の良い学習をするという目的もあります。
イメージとしては、学校のクラス分けとほぼ同じですが、クラス分けをする際の基準が学校とは少し異なります。
今回は塾のクラス分けについて、どのような方法で行われるのか、メリットやデメリットなどをご紹介します。
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塾のクラス分け制度はどのように行われる?
学習塾のクラス分けは、基本的に生徒を学力別に振り分けます。
それぞれ成績の良いクラス、中間くらいのクラス、それ以外のクラスに配置といったように選考されます。
クラス内の席順も、同様に成績によって決める場合があります。
クラス分けによって、自分の成績がどの位置にあるのか把握出来ます。
そのため、生徒としては出来るだけ上のクラスに行きたい所です。
クラス分けを行う時期は学習塾によって差があります。
しかし、入塾の際に行う場合、またそれ以外に年数回、定期的に行う場合が多いようです。
塾のクラス分けを決める方法は?
クラス分けを行う際、クラス分けテストの結果によって、どこに配置されるか決められる事が多いのです。
また、入塾の際にも入塾テストの結果で、どこに配置されるか決められます。
どの教科でテストを行うかはその塾によります。
ただ、国語・数学(算数)・英語・社会・理科の5教科で行われる場合が多いようです。
クラス分けテストは、上位クラスから下位クラスまで全クラスが共通の問題を解きます。
中には下位クラスではまだ習っておらず、上位クラスでしか行われていない授業の問題が含まれている場合もあります。
そのため、下位クラスの生徒は少し不利と言えます。
塾のクラス分けテストは勉強しておくべき?
クラス分けテストの勉強は必ずしておくべきです。
学力別に生徒を振り分けるという事は、上位のクラスでは下位クラスに比べ質の高い授業を行う場合が多いのです。
自分の実力を確かめるという点でも、クラス分けテストはしっかり準備して万全の状態で臨みましょう。
自分の実力にそぐわないクラスに配置されてしまった場合、授業の進行が遅く感じる、授業内容が簡単過ぎるせいで、応用力が身に付かない可能性があります。
上位のクラスの授業についていけるか心配という場合は、もしついていけなくなってもクラス分けは定期的に行われます。
そのため、そこで調整すれば大丈夫です。
そのまま上位クラスに留まる事が出来れば、実力がしっかりついている証明になります。
塾のクラス分けをする目的は?
塾のクラス分けを行う目的は主に、生徒の学力に合った授業を行うという事です。
基礎が定着していない生徒と応用問題まで難なく解ける生徒、この2人が同じクラスにいた場合、授業の内容は前者のレベルに合わせられます。
学校の授業はこのスタイルで行われていて、基本的にそこまで難しい授業を行う場合は少ないはずです。
これは成績が良くない生徒にとってはありがたいです。
しかし、成績の良い生徒にとっては物足りなく感じてしまい、必要のない復習に時間を取られる可能性があります。
塾のクラス分けによるメリット・デメリットは?
塾のクラス分けによるメリットとして挙げられるのが、生徒の向上心を高められる事です。
成績順にクラスを決めるという事は、どのクラスに所属しているかで、おおまかな学力を把握出来る事になります。
生徒としては、周りの生徒に負けたくない、下位クラスでは恥ずかしいといった意識が生まれ、クラス分けで良い成績を収められるように勉強に励むという事が期待出来ます。
デメリットとしては、下位クラスにおける授業内容の満足度が下がってしまう事が挙げられます。
上位クラスの場合は、成績上位者で固まるため、生徒間の成績にあまり差はありません。
しかし、下位クラスの場合は、下位クラスの中での上位生徒と下位生徒の差が激しくなってしまう可能性があります。
そのため、同じクラスで授業を受けていても、簡単過ぎると感じる生徒と、難し過ぎると感じるギャップが問題になります。
中学受験の合否と塾のクラス分けの関連性はある?
中学受験を狙う小学生を対象としたクラスの場合、上位クラスに入る事が出来れば、受験に有利になる可能性が高いと言えます。
下位クラスでは基礎的な授業を行う事が多く、受験に出てくるような応用問題にまで手が回らない場合があります。
また、上位クラスに居続けるためには、当然上位の成績を維持しなければなりません。
そのために勉強に対する向上心が生まれやすく、受験勉強のモチベーション管理にも繋がります。
下位クラスでは合格出来ないというわけではありません。
しかし、上位クラスの方が受験に対し有利になる条件が揃っていると言えます。
中学生などの多感な時期に塾のクラス分けを行う危険性とは?
思春期に差し掛かる中学生あたりの子供は、とても多感な時期です。
大人にとってはどんなに些細な事でも、子供からしたらとても大事のように感じてしまう場合があります。
とりわけ学校や塾など、同世代の子が集まる場所ではその傾向が強いです。
例えば、今までずっと上位クラスにいた生徒が下位クラスに落ちてしまった場合、その生徒が落ち込む事は容易に想像出来ます。
大人であれば、たとえ落ち込んでも他のことで気晴らしをしたり、次頑張れば良いと鼓舞する事が出来ます。
しかし、子供にとっては、周りにからかわれないか、自分の実力はこんなものかと感じ、最悪のケースとしては勉強自体が嫌いになってしまう可能性すらあります。
学力別にクラスをする事にはメリットも多いと言えます。
しかし、成績の良し悪しを明確にされることで、多感な中学生にとってはストレスになる場合もあるかもしれません。
クラス分けが無い塾はある?
クラス分けが無い学習塾は数多く存在します。
個別指導塾の場合、そもそもクラスというものが無く、担当の講師が決まるだけです。
ほとんどの個人指導塾において、講師の選考基準は学力テストで決められるわけではありません。
どの講師が担当になるかは運次第といったところです。
また、集団学習塾の場合でもクラス分けを行わない塾は存在します。
地方の大手以外の学習塾では、生徒数の関係上全ての生徒が1クラスに纏められている場合があります。
クラス分けが無い学習塾では、比較的友達も作りやすいと言えます。
そのため、子供によってはクラス分けが無い塾の方が良いという場合もあるかもしれません。
塾のクラス分けについてのまとめ
学習塾のクラス分けは学力テストによって決められます。
成績順に生徒を配置する事によって、効率的な授業を行う事が目的です。
成績の良い生徒は、もっと伸ばしあまり良くない生徒は基礎から固めるという、学校ではあまり真似の出来ないやり方で授業の満足度向上を目指しています。
しかし、クラス分けを行う事はメリットばかりではなく、子供にとってはストレスに感じたり、授業内容に不満を覚えてしまう可能性もあります。
塾によっては、クラス分けが無い所もあります。
もし子供がクラス分けを嫌がるようであれば、探してみるのも良いでしょう。
受験勉強を目的に入塾する場合、上位クラスに入れば環境的に有利になりやすいと言えます。
クラス分けテストがある場合は、しっかり勉強をして良い成績を収めましょう。