塾の費用

家計を預かるお母様として、塾の費用がどれくらいかかるのか、というのは、結構死活問題。
ここでは、実際に塾の費用がどれくらい掛かるのか、という事を紹介していきたいと思います。

Contents

子供のための塾の費用はどれくらいかかるのか

文部科学省が2010年度に発表した「子どもの学習費調査」によると、子供が公立中学校に通う家庭の半数近くが、学習塾代や家庭教師代などに1人あたり年間20万円以上を支出していると言います。
月額換算で、大体2万円に届くか届かないか、という金額を、毎月塾に払って勉強しているという事です。

勿論、これは「通常」かかる費用=授業料だけなので、実際、テキストや講習期間の金額も含めると、もっと多いかもしれません。
高い塾だと、月3万5千円程度、諸経費や講習の金額も含めると、100万を突破する事も多いようです。

塾の費用は家計にとってどれくらい負担?

これは株式会社日本政策金融公庫が出している、教育費負担の実態調査にあります。
2000年では平均で32%、12年には38%と、段々40%に近づいてきています。
およそ半分近い金額が、塾のために使われているという事になります。

注意しておきたいのですが、この40%という数字は、全世帯の平均値なので、一概に皆が皆40%も出しているワケではありません。
一説によると、所得の多い家庭程、盛んに塾に通わせるようです。

平均的なサラリーマン世帯の月収は約25万円、年収320万程度と言われていますから、その40%と言うと、ざっと月額で10万円弱、年間にすると120万も飛んで行っている計算になってしまいます。
この結果は、平均的なサラリーマン世帯であれば「塾に通わせにくい」というのが、本当の所でしょう。
塾に行くのは家計に余裕がある家庭の生徒だけ、という教育格差を浮き彫りにしています。

ぶっちゃけ、どれくらいが費用の目安?

では、ぶっちゃけた話、どれくらいの費用があれば大丈夫なのか、目安はどれくらいなのか、と言うお話です。
実際に塾の相場を知れば、今通っている塾は月謝が高いのか安いのか知る事が出来ます。

もし今通わせている学習塾が高い、それにサービスも悪い、というように不満があるようならば、なるべく早いうちに切り替える事もオススメします。
ただ、高いところは高いなりに、それ相応のサービスをしてくれますから、高いから悪いということではない事を前置きしておきます。

さて、この費用の目安なのですが、最近は塾の方も様々な指導形態があり、一口に塾というくくりでお話する事が難しくなっています。
今回は、指導形態を『個別指導』と『集団指導』の二つに分けて、話していきたいと思います。

比較のために、どちらも同じ回数、同じ教科で通ったと仮定すると、個別指導だと、週1回、月4回の授業で、12,000円から18,000円前後。
集団指導ならば、週1回月4回の授業で8,000円から10,000円と言われています。

勿論、これは塾の運営会社にもよりますので、あくまでも参考程度に考えてください。
どんなに安くても、月10,000円程度は覚悟しないといけないようです。

塾の費用にも消費税は必要なのか?

基本的に、塾の授業費用には消費税が含まれて計算されています。
零細の個人塾とか、派遣ではない家庭教師だと、税金の申請の手間などから、消費税を含まないという所もありますが、ほとんど例外的な措置だと思ってください。

消費税まで含めると、やはり月額11,000円程度が塾の費用として、収入から飛んでいく事になります。
10,000円でも結構な金額になると思います。

受験にまつわる塾の費用

受験にまつわる塾の費用

ここからは、受験に関しての費用をまとめてみました。
ここでは計算がしやすいように、1回の授業料を元に算出しています。

中学受験のための費用

中学受験は、高校受験、大学受験と比べても、各段に費用がかさみます。

  • 1.そもそも中学受験対処用の塾は大手の塾しかない(個人塾はほぼ不可)
  • 2.どうしても都市圏に偏りがち(通塾に関してのコストが必要)
  • 3.準備期間が長い(必然的に長期の通塾になりやすい)

上記ような理由から、最も塾の費用がかかりやすい試験でもあります。

私立中の入試だと、ほぼ塾通いは必須と言われているだけに、どれだけかかるのかは気になるところ。

結論としては、必要になる月額は一回当たり5,000円程度。
月4回通塾すれば、最大でも授業料で20,000円程度と言う所です。
これが4年生からの三年間、24×3で68万円程度の授業料が必要となります。

勿論、受験したい学校が一教科だけという事はほぼあり得ませんので、実際には二倍から三倍の金額は必要となるでしょう。
また、最近では塾通いの低学年化が進んでおり、ほとんどの塾が1~3年生向けのコースを設定しています。
そのため、そこから通い始めるとなると、さらに費用が必要となります。

また、受験のためにと実施される夏期講習。
大抵は、一回当たりの金額は同じになりますが、有名私立中学を受験するとなると、夏で15万程度は最低限必要となる塾もあるそうです。
冬期講習も同額掛かるとすると、年間で70万程度、それが三年ですから210万円という計算になります。

中学生(高校受験)の塾の平均費用

中学生を対象にしている塾は非常に多く存在します。
結果的に、この分野はどの塾も価格設定を低めにしています。

学年による変動はありますが、大体3,000円~4,000円程度が一回の授業料と言うところでしょうか。
年間の金額で見れば、公立中学校に通っている生徒は、月4回の通塾で16,000円程度。
年額にして、19万2000円、およそ20万円が必要になってくる計算になります。

中学校1年生から通えば、三年間ですから、×3で60万円程度。
3年から通い始めても20万程度という金額です。
高校受験の準備をし始める時期というのは、生徒によってマチマチですが、中1から意識し始めるならば、3年間で60万円程度の予算は必要になりそうです。

大学受験の塾でかかる費用

大学受験になると、一回当たりの金額は、4,500円から6,000円前後と大幅な開きがあります。
学習塾としては、高学年の内容、そして、最終的に控えているセンター試験や大学受験に対処しきれる人が少ないという人件費的な問題を抱えているために、どうしても割高な設定にせざるをえません。

さて、高校生ですが、小学生・中学生に比べると、金額にかなりバラつきがあります。
何故なら、高校生は1、2年生は未だしも、実際に試験を意識する高3のタイミングで、ある程度、必要な科目が決まってしまっているからです。

例えば、高3でセンター試験を6教科9科目で受験するとして、その全ての教科を1回ずつ受講するとなれば、9×4回、月36回通う計算になります。
月額で21万6千円、年額にすれば、259万円という途方もない金額になります。
しかし、単一科目しか受験しない、もしくは既に他の教科は対策が取れているとなれば、年28万円程度となります。

浪人生が塾に行ったらどれくらい費用がかかるのか

浪人生が塾に行ったら、およそ高校3年間分の合計と同じくらいの金額がかかると思って下さい。
どうしても受験までの1年間で、1年生から3年生までの間に行った内容を全て復習します。
そのため、金額的には、月額や一回の授業料が高校生と変わらない金額が設定されていたとしても、どうしても回数が増え、結果的に金額が増える傾向にあります。

そうなってくると、通常授業だけでも、月額で、現役の高校生の3倍程度は必要になってきます。
センター試験全てに対策を行えば70万円。

単一の教科だけを教えてもらうにしても、60,000円から90,000円は覚悟しておいた方が良いかもしれません。
浪人生は後がありませんので、必死になって勉強しないと、お金だけ掛かった割に成果は何もないという結果になりかねませんので、良く注意しておきましょう。

塾の費用を安くする3つのポイント

塾の費用を安くする3つのポイント

費用の内訳をよく見ておくこと

先ほどまで上げた金額は、あくまでも、「1回の授業」に関する金額です。
あくまで程度なので、もっと安い塾もあれば、高い塾もあります。

しかし、一回の授業料が安いというところで、飛び付いてしまうと、思わぬ大出血をする事があります。
何故ならば、料金体系は塾によって様々だからです。

テキスト代

キチンと説明をしてくれはしますが、月々の支払いで必要になるのは、「授業料」以外に「テキスト代」や、「テスト代」が別途掛かる事があります。
テスト代は月に2,000円から4,000円、テキスト代は学期や学年の始めなどに10,000円程度は徴収される事があるので、要注意です。

通信費・施設維持費

他にも、塾から家庭への電話連絡にかかる「通信費」や、教室の補修の一部を負担する「施設維持費」などが別途記載されている場合もあります。
そのため、まず月々全て含めて、どれくらい掛かるのかを考えておきましょう。

使用されている教材は、塾によって異なります。
また、悪徳な塾だと、安い授業料で吊って、数万〜数十万するような高額な教材を売り付けたり、何に使うのか分からない雑費を徴収したりする塾もあります。

夏期講習・講習会

また、夏期講習などの講習会の費用が、どれくらいになるのかも確認しておきましょう。
この講習会は、やはり塾にとっても稼ぎ時であり、同時に生徒や保護者にとっても成績の向上を考えると、「しない」という選択肢が取りづらい部分でもあります。

ただ、塾の言われるままに講習を申し込むのではなく、自分の子供に、どうしてこれだけの講習の回数が必要なのか、この講習がどういう意味を持つのかという事を、キチンと塾側に確認しましょう。
それで、不要と思った部分については、遠慮なく削ってもらうようにしましょう。

悪質な塾でない限りは、キチンと相談に応じてくれますし、大抵の塾は、家計の予算をベースにプランを組んでくれます。

補助金や助成金で費用は免除できるのか

このように、塾の費用が家計に占める割合というのは、非常に大きなモノがあります。
しかし、東京都や大阪市などは、このような塾費用に対して、自治体独自の助成金・補助金制度を実施しています。

例えば、東京都の受験生チャレンジ支援貸付事業は、学習塾の費用を20万円まで貸し付けてくれたり、受験料についても中学校3年生は27,400円、高校3年生には10万5千円まで負担してくれたり、と非常に財布に優しい制度があります。

大阪市も公立中学校在学者に限りますが、大阪市塾代助成事業として、中学1年生~3年生まで3年間毎月10,000円、3年間だと、36万円が子供1人につき助成される制度があります。
これらは全て、自治体の公的資金で賄われているものになりますので、利用しない手はありません。
塾に毎月かかる、費用をほぼペイ出来ますので、非常に便利です。

教育ローンは塾の費用に含まれるのか

470万円、これが今、公立校で大学まで行かせた場合に必要になる金額の総計です。
勿論、途中で私立を挟んでみたり、浪人してみたりすると、もっと必要になると思いますので、あくまでもこの金額は一例でしかありません。
そして、塾の費用は含まれていません。

国が実施している教育ローンを活用すれば、最高350万円までの借入が可能となりますので、ほとんど全ての金額を賄うことが出来る金額です。
ただ、国の教育ローンは、学校納付金(入学金、授業料、施設設備費など)、受験にかかった費用(受験料、受験時の交通費・宿泊費など)、在学のため必要となる住居費用(アパート・マンションの敷金・家賃など)、教科書代、教材費、パソコン購入費、通学費用、修学旅行費用、学生の国民年金保険料という事で、塾の費用は明記されていません。
審査も返済もノンビリした形ですが、反面用途はかなり限定されています。

となると、やはり民間の金融機関の教育ローンを使う事になります。
こちらであれば、塾費用としても使うことが可能ですので、塾に通わせなければと思われる方には便利かもしれません。
一口に教育ローンと言っても、70社以上が教育ローンを運営しておりますので、ぜひ最適なローンを選んでください。

塾の費用のまとめ

塾の費用のまとめ

塾通いというのは、子供を持つ親にとって避けては通れないポイントの一つです。

今回は、1回あたり金額を元に算出しました。
ただし、塾によっては旅行会社と同じように、人数のいない早い時間帯は安く、多い時間帯は高く設定していたり、都市部の塾ほど高額な費用が設定されていたりします。

教科によって金額に差はなくても回数を増やせば、その分金額が上がります。
他にも、授業料だけではなく、入会金やテキスト代、施設維持費など、必要な金額をまずシュミレーションしてみてください。

通うとなっても、安易に見た目の費用が安い塾を選ばないこと。
塾の費用が安いのにも高いのにも、理由があります。

その理由を理解した上で、ちゃんとサービスにあった費用の塾に通うようにしていきましょう。
払う金額以上の満足やサービスをしてくれる塾なら、決して高くはないはずです。


おすすめ記事&スポンサードリンク