塾と学校の違い

塾に行く子も、最近は珍しくなくなってきました。
学校の勉強だけでは不十分なのでしょうか。
学校と塾の違いから見ていきましょう。

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塾と学校の教え方の違い

明らかに、塾(ここでは予備校も含みます)と学校では、先生の教え方に違いがあります。
上手下手という事ではなく、そもそも教え方が違います。

学校での教え方は?

学校の教え方は、一クラスに集まった大勢の生徒に対して、授業をして教えていきます。
良い言い方をすれば、全国一律の内容を行っているという事になります。

少なくとも、中学校までの先生は、みんな同じ内容をしています。
ただ、一律に教えていると、どうしても簡単すぎる、難しすぎるという生徒が出てきます。

難しすぎる生徒にはフォローをして、しっかり知識を身に付けてもらう。
大勢の生徒に、知識と経験の楽しさを知ってもらうのが、学校の教え方です。

そのため、学校の先生は、どんなに忙しくとも、生徒を最後まで面倒を見ようとします。

塾での教え方は?

塾の教え方は、個別指導や集団授業など様々あります。
その教え方は、熟ごと、教室ごとに異なり、同じ内容であっても同じ教え方はしません。

ただ、共通して言える事は、生徒のレベルに合わせた授業が教え方をしています。
素晴らしく出来る子もいれば、反対に、全くできない子もいるのが勉強です。

生徒のレベルに合わせた教え方をして、確実にレベルアップを図るのが、塾の教え方です。
だから、塾が要求しているレベルに達さない生徒は、切り捨てられます。

特に、進学を本気で考えている生徒が集まってくる塾は、その傾向が強まります。

塾と学校の授業の違いは?

塾と学校の授業の違い

では、そんな塾と学校の授業は、どのように違うのか。
それを見ていきましょう。

学校の授業の特徴

学校の授業は、黒板の前に先生が立ち、板書をしながら説明していきます。
その板書や発言を、生徒はノートに記し、テストの前に見返したりします。

時々、黒板の前や席で、問題を当てられ、解答するというのが一般的だと思います。
最近は、生徒が自分から学んでいく、アクティブラーニングという授業が増えています。

ただ、どちらも本質的には生徒がいて、初めて授業が成立するという事です。
また、時間に猶予が存在するので、細かい内容まで対処が出来る事も学校の授業です。

出来ない子へフォローするなど、生徒に理解を深めさせるために、時間を掛けた大量の授業をする、これが学校です。

集団塾の授業と何が違う?

塾には、多かれ少なかれ、どうしてもお金が掛かります。
塾で学校と同じ授業時間を取ろうとしたら、それだけでも数十万は必要でしょう。

しかし、そんな数十万も出せる家庭はそう多くありません。
だからこそ、塾の講師は、個別であれ、集団であれ、そして予備校であれ、共通して短時間で成績を向上させる方法を授業で伝授しています。

塾講師が教えるのは、「楽しさ」や「大切さ」ではなく、「点の取り方」です。
ダラダラと関係のない話はバッサリ切ってしまって、テストに出る内容に徹底します。

また、学校の授業ではしないが、入試では問われる内容というのも塾では行います。
塾の目的は偏差値を上げる、もしくは、合格者を増やすことです。

多少、セコイ技でも、成績が上がるのであれば、それは塾にとっては正義なのです。

塾と学校 それぞれの果たす役割の違い

塾と学校 それぞれの果たす役割の違い

学校と塾、それぞれが社会の中で学生に対して、どのように働きかけているのか。

先にざっくり結論を言ってしまうと、学校が育成しているのは「総合的な知性」です。
そして、塾が育成しているのは、「ペーパーテスト学力」であるという違いがあります。

同じ勉強する場であっても、その役割は異なります。
それを見ていきましょう。

学校が果たす役割

学校が果たす役割は、下記の3つです。

学校で果たす勉強の役割

学校で行う勉強の基本は、何をおいても、基礎学力を身に付けることにあります。
教育を通じ、基本的な学力を身に付けていくというのが、学校で行う勉強の基本となっています。

いわゆる五教科だけではなく、実技教科も義務教育の中に規定された基礎学力です。
ただ、これをするだけが学校で行う勉強ではありません。

他人と関わり、人格形成や社会活動の基礎を育てるという事も目的の一つです。
他人とコミュニケーションを取り、適切な議論を交わす、協働していくことができる。
そんな社会性を身に付けていくというのも、学校で行う勉強の役割です。

学校だけでは役割が不足している

しかし、学校では、「教科の勉強」を行うのが苦しくなっているというのが実情です。
学校で行う授業は、基本的に教育指導要領に基づいて実施されています。

この指導要領の範囲内で、公立学校の先生は授業を行わなければなりません。
全国の学生が同じような授業を受けている、と言っても過言ではありません。

結果、学校の授業は平均レベルの生徒に合わせる事になってしまいます。
そのため、浮き零れたり、逆に落ち零れたりする生徒が生まれてしまいます。

学校の先生の数には限りがあるので、優先されるのは、下位層の生徒になります。
しかし、上位層の生徒には、「みんな一緒」という学校の授業は、つまらないものなのです。

もう一つ、高校入試の中身が変わったというのも問題です。
最近、教科書「では」行っていない問題が出題されるようになりました。

特に、英語。
教科書よりも遥かに長い長文の「読解」が求められるようになっています。
しかし、学校では、文法を教えるので手一杯で、入試に必要な読解が出来ません。

こういった意味でも、学校の勉強だけでは、入試には不足しているのです。

浮き零れる上位層を学校は扱えない

先ほども書きましたが、下位層と上位層の生徒は、学校の授業から逸脱してしまいます。
本来であれば、学校は全ての生徒を平等に扱い、適切な処置を行わなければなりません。

しかし、社会性を身に付けるという、学習以外の面をどうしても無視出来ません。
結果、偏差値の高い学校を志望する生徒に、それ相応の授業を学校は提供が出来ないというわけです。

中学受験で塾がどうしても必要になる理由は、ここにあります。
学校には、そのような生徒に個別対応するだけの方法がないのです。

塾が果たす役割

塾が果たす役割は、下記の2つです。

受験において塾が果たす役割

塾の本質的な役割は、学校の授業離れてしまった生徒を救うというのが一番の目的です。
その離れてしまった生徒は、授業料を払って下位層は平均からのギャップを埋める。

逆に、上位層は徹底した勉強を行い、より素晴らしいと評価を身に付ける。
学校では行えないことをするから、塾は存在出来ると思ってもらって良いでしょう。

特に、受験において、塾の果たす役割は大きいと思います。
画一的な学校の授業では、上位の高校・大学や私立の学校への対処が難しいのが現状です。

大学は特にですが、その大学ごとの特色があり、問題にも現れます。
生徒がそれぞれの学校を目指す中で、個別対応する余裕は、学校側にはありません。

ならば、やはり塾で、個別に対応してもらう事が必要になるのです。
集団塾なら、難関校、中堅、私立、と同じ目標を持った生徒が集まります。

個別指導も目標は異なっても、スタッフの多さを生かした個別対応が可能です。

塾の出来ない役割はどんなことがあるか?

塾の先生には、公的な評価が出来ません。
あくまでも、塾の先生は、講師=教えることが仕事であり、評価者ではありません。

評価する人間ではないので、成績以外の事を見る事はないのです。
学校の先生は、普段の生活態度、授業以外の行動も含めて評価しています。

塾で出来ても、学校、もっと言えば、テストで発揮出来なければ全く意味がありません。
公的に評価するのは、学校の役割です。

その評価を上げる手助けをするのが、塾や予備校の役割と考えましょう。

塾と学校の違いのまとめ

塾と学校の違いのまとめ

まとめてしまうと、学校は「基本教育」と「社会形成」が目的。
塾は「学力向上」と「学習指導要綱によらない指導」が目的と言って良いでしょう。

お互いに学力に対して、相補的に行動しているようになっています。
塾と学校を活用する事で、どんな生徒に対処する事が出来るようになっているのです。

世の中には、机の上では学べない事があります。
決して、紙のテストには出ないからと言って、生活の基本的な知識を無視出来ません。

よく受験勉強ために学校行事を欠席させる、宿題をさせない塾も存在するそうです。
しかし、今後の社会が求めているのは、学歴がある「だけ」の生徒ではないと思います。

塾と学校のそれぞれの役割を理解し、お互い相補的になるように使う事が、塾に通う上では必要な考え方です。


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