予備校は必要か

何かを学ぼうとするとき、独学するか誰かに教えてもらうかという選択肢があります。
例えば、大学受験のために予備校に通う人は多いものです。

現在では、高校3年生の約半数が予備校に通っているとも言われています。
また、大学受験以外にも資格試験の目的で予備校に通う事もあるでしょう。

予備校には比較的簡単な資格試験から難関の資格試験に至るまで、非常に多くの講座があります。
ある程度のレベルまでなら独学でも十分ですが、難関の資格試験に合格するには予備校を利用しなければならない場合がほとんどです。

今回は、予備校の必要性についてご紹介していきます。
予備校の費用は決して安いものではありません。

しかし、正しく利用すれば独学と比較して有利になる事が期待出来ます。
予備校のメリットデメリットを把握し、利用すべきか判断しましょう。

Contents

予備校の必要性とは?どんな目的で通う?

受験勉強や資格試験対策で利用する事のある予備校ですが、独学の場合と比べて何が違うのでしょうか。
予備校のメリットとしては、三つほど挙げられます。

一つ目に、講師から指導を受けられる点です。
勉強というのは、自分一人だけで進めようと思ってもなかなか難しいもの。

勉強の進め方や毎回のペースなど、悩んだ経験のある方もいるのではないでしょうか。
予備校であれば、テキストには載っていない効率的な覚え方や、細かい解説を教えてもらう事が出来ます。

二つ目に、環境が整っている事です。
自習室などの勉強環境、過去問などのデータを入手しやすい事が挙げられます。

三つ目に、モチベーションを維持出来る事です。
独学ではどうしても気が緩みやすく、一度サボってしまえばそのままというケースも考えられます。

その点、予備校に通う事でモチベーションを維持したまま勉強を進める事が期待出来るでしょう。

高校生の大学受験に予備校は必要?

高校生の大学受験に予備校は必要か

予備校を利用するケースとして一番多いのが、大学受験を目的にした場合でしょう。
予備校に通う事が大学受験に有利と言えるかは、人によって意見が異なると思います。

大学受験で予備校に通う必要があるかは、志望校のレベルに大きく左右されるでしょう。
志望校が難関であれば、予備校に通って対策しなければならない可能性が高まります。

予備校の効果的な使い方としては、苦手な部分を教わりに行く事がポイント。
しかし、予備校での勉強はメリットだけではありません。

自習の時間が削られ、復習に充てる事が出来なくなるデメリットがあります。
特に得意な教科の場合、既に理解している内容を教わる可能性もゼロではありません。

そのため、自習では理解するのが難しい内容・苦手な教科を教わる目的であれば、予備校に通う事は十分検討出来るでしょう。

高1から予備校は必要?

大学受験の勉強をするにあたって、いつ頃から予備校に通う事が考えられるのでしょうか。
予備校に通う高校生のうち、もっとも割合が多いのが高校1年から通っているという生徒です。

高校1年の時点で、既に志望校を決めている生徒も多いのでしょう。
次に多いのが高校2年、最後に高校3年というように、学年が上がるにつれてその割合は減っていきます。

受験勉強というのは、どれだけ時間があっても足りないと感じるものです。
そのため、志望校や将来の目標がはっきりしているのであれば、出来るだけ早いうちから通ったとしても損はないでしょう。

美大受験に予備校は必要?

美術大学の受験では、高校で学んだ勉強はほとんど役に立ちません。
結論から言うと、美大受験の場合に独学で勉強をする事は非常に難しいとされています。

美大受験の予備校に通うメリットとしては、合格レベルを把握出来る事。
この程度描ければ合格出来るというレベルを最初に知っておけば、その後の練習が効率的に行えます。

また、正しい描き方を指導してもらう事はやはり重要です。
基礎を学んだ上で練習に挑まない事には、上達にも遅れが出てしまいます。

よって、美大受験を考える場合は予備校に通った方が良いでしょう。

医学部受験に予備校は必要?

医学部受験の場合、学校の勉強だけで合格する事は非常に難しいものです。
合格者のほとんどが、予備校に通って受験勉強をしています。

国公立の医学部を狙う場合は、センター試験があるため文系科目の勉強が必要です。
私立の医学部を狙う場合は、大学ごとに入試問題が異なります。

過去の出題傾向や模範解答の分析を行う必要があり、独学では対処しにくいのです。
また、大学によっては面接や小論文の対策が必要になる場合もあります。

国公立にしても私立にしても、医学部受験の際は予備校に通って勉強した方が無難です。

看護学校受験に予備校は必要?

看護学校の受験では、情報収集をする事が重要になるでしょう。
看護学校の受験の試験に出題される範囲は、ある程度決まっています。

また、試験の傾向も学校ごとにあり、これらを把握する事が合格に近づく方法なのです。
しかし、独学の場合はこういった情報を集める事が非常に困難と言えます。

また、普通科目の勉強だけをすればいいわけではありません。
面接や小論文の対策も必要で、その場合は自分一人では対処できないでしょう。

そのため、看護学校の受験には予備校は必要であると言えます。

文系の方が予備校は必要?理系には必要なし?

文系と理系どちらの方が予備校を必要とするかと言われれば、どちらも必要です。
ただ、文系の方が理系よりも予備校を必要とする可能性は高いと言えます。

理由としては、文系の教科には独学で勉強しにくいものが多いためです。
例えば国語の場合、現代文でも古文漢文でも、テキストを見て自習するよりも解き方や考え方を教わった方が効率的でしょう。

英語に関しても同じで、テキストには載っていない解き方のコツを教わる必要があります。
対して理系の場合、人に教わらなければならない部分は比較的少ないのです。

公式を覚えるのに指導は必要ありませんし、解き方を確認するのであればテキストを追うだけで十分と言えます。
よって、理系に予備校が必要ないわけではありませんが、文系の方が必要性は高いでしょう。

予備校の夏期講習は必要?

夏休みの期間、予備校では夏期講習があります。
長期休暇を利用して、短期間で学力を付けようというものです。

では、予備校の夏期講習に効果は期待出来るのでしょうか。
当然ですが、勉強はやればやるだけ力が付きます。

そのため、夏期講習を受講する事で成績アップは十分期待出来るでしょう。
しかしその場合、家庭学習とどちらが効率的かという事が重要になります。

基本的に、家庭学習をしっかり予定を立てて実行出来るのであれば、そちらの方が効率的です。
家では集中できない、自習では理解しきれない部分があるという場合には、予備校の夏期講習を利用すると良いでしょう。

浪人した場合予備校は必要?

浪人をした場合、自宅で勉強する選択肢と予備校に通う選択肢があります。
宅浪のメリットは、何よりお金がかからない事。

教材費だけで済むため、高くても3万円程で収まるでしょう。
しかし、宅浪の成功率は非常に低いのが現実。

浪人をした場合、ほとんどの時間を自由に使えます。
一度サボり癖がついてしまえば、1年を無駄にする可能性が高いのです。

また、現役生とは違い学校で指導を受ける事もできません。
完全に一人で勉強を進める事になり、不自由な環境で受験勉強に励む事になるのです。

宅浪では、外との関わりが少なくなる事も考えられます。
浪人をした場合は、予備校に通って勉強をする方が良いでしょう。

大学生が予備校を必要とする場合とは?

大学生が予備校を必要とする場合とは

予備校に通うのは高校生だけではありません。
数としては少ないですが、大学生が大学受験の予備校に通うケースもあるのです。

その理由としては、主に2つ考えられます。
まず、現在通っている大学とは異なる大学に編入する場合です。

もともと第一志望だった大学をどうしても諦められなかったというケースや、他に学びたい事があるために学部を変えるケースが考えられます。
次に、大学院を受験する場合です。

大学院の場合、大学受験ほどの規模ではありませんが入試が行われます。
その対策として、予備校が利用されるケースもあるのです。

大学編入に予備校は必要?

大学編入をする場合、一般受験と比較して難易度は多少低めになります。
大学編入試験では、受験科目が英語と論文の2科目のみで良い場合が多いからです。

一般入試では目指す事のできなかった大学を狙える可能性があります。
では、大学編入に予備校は必要なのでしょうか。

大学生の場合、勉強に必要な環境は高校生以上に揃っていると考えられます。

自習室としては図書館が利用出来ますし、いざとなれば論文はゼミの先生などにみてもらう事も期待出来るからです。
そのため、予備校に通う必要があるかは英語の学力次第でしょう。

英語が苦手、もしくはしばらく離れていて忘れている場合、予備校に通う必要があるかもしれません。

大学院受験に予備校は必要?

大学院受験の場合、理系か文系かによって予備校の必要性が異なります。
理系の場合、予備校に通う必要は全くありません。

理系の大学院入試では、専門科目の内容が非常に専門的なものになり、予備校ではそもそも対応していない場合が多いからです。
そのため、過去問や大学のテキストから独学で勉強する事が必要でしょう。

一方で、文系の場合は予備校も対応しており、合格実績もある程度あります。
ただ、文系の場合でも予備校に通う生徒は少ないです。

志願者が少なく理系と比較して合格しやすい事、理系と同じく過去問やテキストのみで対策可能な事がその理由と言えます。
大学院入試の場合、理系文系に関わらず予備校の必要性は低いでしょう。

資格試験に予備校は必要?

資格試験に予備校は必要

大学入試対策の予備校とは別に、資格試験対策の予備校があります。
資格試験の場合、独学で勉強する際は本当に一から自分で理解していく必要があるでしょう。

そのため、独学で成功する人と失敗する人の差は非常に大きいのです。
スケジュールを決め、その通りに勉強を進める事が出来る人であれば、予備校の必要性は高くありません。

しかし実際のところ、そういった事を出来る人は非常に少ないのです。
資格試験は一度不合格だった場合でも、また次回受験する事が出来ます。

いつまでに絶対合格という強い意志がない限り、次頑張ればいいと途中で勉強を諦めてしまいやすいものです。
資格試験の難易度にもよりますが、ある程度のレベルを超えると予備校に通う必要があると言えます。

地方公務員試験に予備校は必要?

地方公務員試験の対策における予備校の必要性は高いでしょう。
インターネットネットの普及や市販のテキストによって、公務員試験の情報は以前に比べ手に入りやすいです。

そのため、独学でも勉強を進めやすい試験であると言えます。
しかし実際のところ、公務員試験合格者のほとんどは予備校生です。

公務員試験合格に必要な勉強時間は、1000~1500時間程度とされています。
約1年の長期に渡って勉強する人が多いようです。

独学で1年間勉強を続けられるかというと、難しい部分があります。
勉強のペースをしっかり管理しなければ遅れが出てしまいますし、なによりモチベーションが持ちません。

そのため、地方公務員試験を考えるのであれば、予備校に通った方が無難でしょう。

医師国家試験に予備校は必要?

医師国家試験の対策として、予備校の利用はほぼ必須と言えます。
医師国家試験はかなり難易度の高い試験です。

合格率自体は非常に高いですが、絶対に落ちてはいけない試験とされています。
合格率が高いのは、それだけ対策されている事の裏付けでもあるでしょう。

医師国家試験の効率的な勉強法として、インターネット予備校を利用する事が挙げられます。
移動時間や待機時間を削減する事ができ、学習のみに力を入れる事が出来る利点があるからです。

もちろん、実際に校舎に通って勉強をする講座もあります。
どちらを利用するにせよ、医師国家試験に予備校は必須でしょう。

教員採用試験に予備校は必要?

教員採用試験の対策として、予備校を利用する事は選択肢に入ります。
教員採用試験の勉強期間は、約半年~1年程度。

長期間に及ぶ勉強をする必要があり、モチベーション維持のために予備校に通う事は十分考えられるでしょう。
教員採用試験の特徴として、市販のテキストが非常に充実している点があります。

そのため、独学でも比較的勉強はしやすい試験です。
自分で勉強ペースを決められる、ストイックに勉強を続けられるのであれば予備校に通う事は必要ないでしょう。

ただ、教員採用試験では面接もあります。
面接については自分一人で対策する事は難しいかもしれません。

社労士試験に予備校は必要?

社労士試験の対策として、予備校の利用はほぼ必須でしょう。
独学で合格できないというわけでもありませんが、やはり本人の素質によるところが大きいのです。

実際、社労士試験の勉強法で最も多いのが独学とされています。
しかし、その多くが不合格という結果に終わっているのが現実。

社労士試験の試験範囲は非常に広く、独学ではカバーしきれないと言われています。
そのため、勉強期間を長く確保する必要があり、モチベーションの低下にも繋がりやすいのです。

そもそも難易度が非常に高い事もあり、独学では非常に難しい試験であると言えます。

司法試験に予備校は必要?

司法試験の対策として、予備校の利用はほぼ必須であると言えます。
司法試験は、合格率が非常に低い難関試験です。

独学で勉強したとしても到底太刀打ちできない可能性が高く、予備校に通う事が必要になります。
ただ、独学で勉強を進める事が検討出来るケースもあるでしょう。

それは、一度予備校に通って勉強したものの、試験に落ちてしまったという場合です。
その場合は、もう一年独学で勉強をして再度受験をする事が考えられます。

初学者であれば、予備校に通う事は必須でしょう。

消防士試験に予備校は必要?

消防士試験の対策として、予備校の必要性は高いでしょう。
消防士試験は体力試験もありますが、あくまで公務員試験のため学科試験もあります。

そして、学科試験の占めるウエイトは決して少なくありません。
競争率が高く試験範囲も広いため、独学では少し厳しいのです。

消防士試験の場合、体力試験の対策として日々のトレーニングを積んでおく事も必要になります。
そのため、勉強のモチベーションは他の資格試験と比較して維持し辛いでしょう。

消防士試験を受ける際には、予備校に通った方が無難と言えます。

TOEFL対策に予備校は必要?

TOEFLは世界で最も利用されている英語能力試験とされています。
海外の大学に入学したいという場合、TOEFLの点数が求められる事もあるほどです。

TOEFLの対策として、予備校の利用は十分検討出来るでしょう。
TOEFLの勉強で重要な事として、効率的な解き方を知る事が挙げられます。

試験時間をどう配分するか、どうすれば素早く次の問題に移れるかなど、独学では身に付けにくいテクニックを予備校では学ぶ事が出来るのです。
ただ、TOEFLは市販のテキストも充実していますから、一度独学で勉強してみてから予備校に通うか検討するのも良いでしょう。

宅建試験に予備校は必要?

宅建試験の対策として、予備校の利用はその目的によって異なります。
そもそもどこから手を付ければ良いか分からないという場合、予備校の利用には適しているでしょう。

市販のテキスト通りに進められる人であれば問題ないですが、そうでない場合は授業に沿って勉強した方が効率的であると言えます。
ただ、宅建の情報を入手するという目的で予備校を利用するのはオススメできません。

宅建のテキストは毎年改定されるため、常に最新の情報を簡単に手にする事が出来ます。
試験問題の傾向についても、インターネットで公開されているものもあるため十分でしょう。

そのため、どのように勉強を進めたら良いか分からないという場合は予備校の利用をオススメします。

薬剤師試験に予備校は必要?

薬剤師試験の対策として、予備校がほぼ必須になる場合があります。
それは、薬剤師試験で浪人した場合です。

薬剤師試験は、既卒の合格率が非常に低くなる試験と言われています。
薬剤師試験に落ちてしまった場合、宅浪か予備校に通うかという選択肢があるでしょう。

しかし、やはり独学ではなかなかモチベーションが続かない、勉強のコツをつかみにくいという点から合格率は低くなります。
そのため、浪人生の場合は予備校の利用が必須なのです。

現役生についても、予備校を利用する事は十分に考えられます。
その場合は、基礎段階の導入として利用するのが良いでしょう。

予備校に友達は必要?

予備校に友達は必要か

予備校に通う場合、友達は必要なのでしょうか。
結論としては、友達はいるに越した事はないものの、いなくても特に問題はないでしょう。

筆者自身、現在資格取得のため予備校に通っています。
しかし、友達同士で仲良く過ごしている人はあまり見かけません。

多くの人が、ただ授業を受けにきて終わればそのまま帰宅するというパターン。
自動車学校に通った事のある方であれば、同じような雰囲気と考えてもらえれば大丈夫です。

ただ、友達はいるに越した事はありません。
休憩時間に一人だとやはり暇ですし、分からない部分を教え合ったりも出来ます。

切磋琢磨し合える関係になる事ができれば、お互いに成果も出やすいものです。
勉強するだけの場所と考えず、人との関わりを持つ姿勢も重要かもしれません。

予備校が必要ないのはどんなとき?

予備校が必要ないのはどんなときか

予備校が必要ない場合としては、目標に対して十分な学力を持っている事が挙げられます。
A判定の大学を受験するのに、予備校に通ってまで勉強をする人は少ないでしょう。

また、家庭学習の習慣がしっかり身に付いている人であれば、独学でも合格を狙う事は可能です。
その場合、計画通りに進める事が出来る根気と、テキストや問題集だけで勉強を進められる理解力が必要になるでしょう。

とはいえ、最近ではインターネットネットを活用すれば問題の解説を調べる事はすぐに出来ます。
使い方によっては、予備校に通う場合よりも効率的に勉強する事が出来るかもしれません。

予備校は必要かまとめ

予備校は必要かまとめ

予備校は、大学受験と資格試験の対策として利用されるところです。
独学と比較して、講師の指導を受ける事ができモチベーションを維持しやすいというメリットがあります。

しかし、予備校に通うには多額の費用がかかるのも事実です。
また、必要の無い授業を受けてしまう可能性や、質の低い講師に当たってしまう事もあります。

予備校を利用する際は、これらのデメリットに見合った効果を得られるか判断しておく事が重要です。
予備校に通ったからといって、必ず成績が上がる事や合格が保証されるわけではありません。

予備校に通ったうえで、家庭学習もしっかり行う事で初めてその効果は発揮されます。
通っている事に満足せずに正しく利用すれば、きっと合格に近づける事でしょう。


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